本八幡こころクリニック

本八幡こころクリニック

ご挨拶・理念

Message & Concept

Greeting from a doctor & Clinic's conceptsご挨拶・理念

この度、2017年9月に千葉県市川市八幡、本八幡駅北口に「本八幡こころクリニック」を開院させていただくこととなりました。
医師の小林貴之と申します。
当院は心療内科、精神科の治療を行うクリニックです。どうぞよろしくお願いいたします。

Our philosophy当院の治療理念

治療理念イメージ

心ある医療

困った事や悩みについてお話しください、真摯に耳を傾け、お聞きします。
丁寧な診療をこころがけ、不安を持たずに。気軽に安心して相談できるよう、
こころを込めて診察を行います。どんな悩み事でもお話しください。

一人ひとりのための医療

悩みや困っていること、それぞれの状況に即した、個別での対応を行います。
治療方法では、投薬の種類や量、タイミングなど適切な判断を行いながら、
希望に添えるよう、オーダーメイドな治療。漢方薬での治療など、薬物使用時も
最小量、もしくは薬物を使用しない、での治療など
既存のマニュアルでの治療ではなく、その人に合った治療を行います。

外看板

わかりやすい医療

どのような病態であるのか、どうしてその診断がつくのか、なぜ治療が必要でその薬が効くのか、など専門性が高い部分も分かりやすく説明いたします。
少しでも不安を解消し、安心して治療できるように心がけていきます。

バランスのとれた医療

あなたがあなたらしく、社会で生き生きと生活できることを目標に、心とからだ、
そして社会性、バランスのとれた生活を送れるよう、最適な治療法を提案していきます。
病気の治療だけでなく、ストレスのかからない考え方、生活スタイルなど、再発予防や、安定維持に向けての相談・指導など、臨機応変に、いつも良質な医療を行えるように努力を続けます。

私はこれまで「こころの専門家」として様々な臨床経験をつんでまいりました。
これまで精神科スーパー救急と呼ばれる急性期から慢性期、若年層の思春期から老年期、外来から入院治療、軽症者から重症者まで、神経症から気分障害、統合失調症、認知症と広く経験させていただきました。十数年間精神科医療に携わる中で、早期発見、早期治療の重要性を痛感いたしました。長い経過の中で悪化、重症化・長期化される方が多く、治療開始は、可能であればより早く、違和感が始まったくらいの時期、軽症での関わりが大切であると考えております。現代はストレス社会といわれ、様々なストレス要因が存在し、ストレスと無関係な人はほとんどいないのではないでしょうか。
そんなストレスから「こころとからだのバランス」を失い、日常生活を苦しみながら過ごす方が急増しています。

近年脳科学の研究が盛んに行われ、社会的にもストレスチェックが導入されるなど、精神科領域は高い関心を持たれ、飛躍的な進歩を遂げております。毎年のように新しい発見がなされ、これまで治りにくかった症状にも効果のある治療法が発見されるなど明るい話題の一方で、依然として心療内科・精神科の敷居は高く、専門医受診に至らない患者さんも多くいます。
「こんなことで相談していいの」「気のせいかもしれない」と躊躇われている方、「薬の副作用」に対する不安を持っている方、様々だと思います。
同じような症状でも、ひとりひとりが抱える問題は全て違います。会わずして、聞かずして判断は出来ないと考えております。
地域にお住いの人はもちろん、市川市外に通勤・通学されている人々にも精神的な安らぎ・安心感を与えられるように丁寧で温かみのある治療を提供できるクリニックを目指しております。職場や学校などのストレスでお悩みの方、認知症の診断・サポートでお悩みの方など、御気軽に当クリニックまでご相談ください。

みなさまの「こころとからだのかかりつけ医」になれるよう、心療内科、精神科の専門として千葉の医療に貢献してまいりたいと思っております。

本八幡こころクリニック 院長 小林貴之

本八幡こころクリニック 院長 小林貴之

略歴

  • 東海大学医学部医学科卒業
  • 飯沼病院 精神科(民間病院)
  • 北辰(精神科スーパー救急)
  • 楽山(心療内科病院)
  • 千葉・柏リハビリテーション病院 精神科(民間病院)
  • 三村病院 副院長(民間病院)

資格・所属学会

  • 精神保健指定医
  • 精神神経学会会員

Our philosophy治療の目標と想い

治療理念イメージ

開業して実感したうつ病の患者数

うつ病は、気持ちの弱さや考え方といった「心の病気」ではありません。すべてが解明されているわけではありませんが、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れてしまう「体の病気」です。

患者さんの数は多く、当クリニックでも8割近くの方がうつ病の患者さんです。開業に至るまでの入院施設のある精神科や心療内科での勤務医時代と比較して、その患者数の多さを実感しているところです。

うつ病の年齢層は、10代から高齢の方まで幅広く、特にライフイベントが多く、環境の変化が大きい20代後半から30代の方に多い傾向です。

女性のうつ病は男性の約2倍

女性に発症しやすい理由として、女性特有の生理的な要因と社会的な要因が挙げられます。生理的な要因としては、女性ホルモンの影響が大きく関わっており、女性の生涯を通してうつ病のリスクとなります。社会的な要因としては、女性の社会進出は目覚ましいものの、家庭での家事や育児の負担は依然としてその大半を女性が担っているという現実があります。

女性のうつ病とライフステージ

女性のうつ病のリスクを、女性ホルモンに着目して、4つのライフステージに分けて考えていきます。

(1)思春期(10~18歳)

女性ホルモンの分泌が急激に増加する時期です。月経(生理)が始まり、それに関連した様々な症状が現れるようになります。下腹部痛や乳房の痛みなどの身体症状に加え、イライラしたり、うつなどの気分になる月経前症候群(PMS)や、日常生活が辛いほどの月経前不快気分障害(PMDD)なども出始めます。

(2)性成熟期(18~45歳)

一生のうちで、女性ホルモンの分泌量が最も盛んな時期です。同時に、結婚、妊娠、出産など大きなライフイベントがあり、双方の影響が重なることから、30代がうつ病の好発時期になると考えられます。例えば、社会的に地位を得た方が妊娠・出産で役職から外れることになったり、逆にライフイベントに関わらず今まで以上に、家庭も仕事も頑張ったりすることが、うつ病を発症するきっかけになることがあります。職場でも家庭でも頑張っていて、自分の時間が取れない、ストレスの解消が出来ないということが、30代の女性にうつ病が多い要因と考えられます。

(3)更年期(45~55歳)

卵巣の働きが低下して女性ホルモンの分泌量が減少する時期です。卵巣を刺激するホルモンは分泌されるため、その影響で自律神経の機能障害が起こりやすくなります。ホットフラッシュや動悸などの身体症状だけでなく、イライラや気分の変動を伴う症状などが現れることがあります。さらに不眠や日常生活に支障をきたすような更年期障害に苦しむようになると、家事ができなくなったり、仕事で失敗したりすることをきっかけに、うつ病を発症することがあります。つまり、女性ホルモンの低下の影響という点で、男性には無い、女性特有のうつ病のリスク要因となります。

(4)老年期

閉経を迎え、女性ホルモンが分泌されなくなることで、更年期の症状は落ち着いてくる時期です。一方、女性の平均寿命は長く、女性ホルモンの恩恵のない状態で過ごす期間も長くなり、疲れやすくなったり、不安定になったりします。また、男女問わず合併症を持つことが増えるため、身体的な理由からうつになることがあります。伴侶との死別などのライフイベントや、老々介護、夫が定年で家にいる時間が長くなることによるストレス、独居など、家庭環境の問題も含めて考える必要がある時期です。

女性のうつ病の診断にはホルモンの変化を考慮

うつ病の診断は、「うつ病の診断基準」を使用して診断しますが、女性の場合、女性特有のホルモンの変化や甲状腺機能異常など、女性に多く合併する病気にも配慮します。必要があれば、婦人科や内科と連携して診る場合もあります。また、セクハラなどの心的外傷(トラウマ)など話しにくいことについては、問診票を使った口頭以外の聞きとりを考慮することも重要です。

ストレスや具合が悪くなった原因の有無、責任感が強い、抱え込みやすい、他人に相談できない、自分で何とかしてしまおうとするなど、うつ病になりやすい元々の性格なども踏まえて診断します。そして、現在の重症度を判断することも大事ですが、悪化していく可能性など先を見通した診断が、治療を開始する上で重要です。

元通りの「楽しめる人生」を目指す治療

リラックスイメージ

うつ病の患者さんは、受診に至るまでに、既に趣味やスポーツなど楽しみにしていたことをやめていたり、友達と会わなくなるなど、生活スタイルを変化させて、自分なりに対処してきた方が多くいます。生活スタイルを変えても尚対処しきれない部分が、身体の症状として出てきて初めて、受診行動に出ることになります。うつ病の治療は、寝られない、頑張れない、仕事に行かれないなどといった辛い症状が軽快して、普通の生活が出来るようになることが治療のゴールとされていました。普通の生活は何とかできているけれど、うつ病になる前より楽しめないというのでは回復とは言えません。私は、患者さんが元々生活していた人生の中で、本来楽しめていた状態になり、家庭や職場で元通り活躍できるようになることを、治療の最終目標にしています。

治療方法の選択は患者さんと相談の上オーダーメイドで

うつ病の治療には、薬物療法、漢方薬、心理療法、カウンセリングなど色々な手法があります。その中から、患者さんの病態はもちろん、社会的な立場や事情などのバックグランドまで含めて、一人ひとりにあった治療方法を可能な限りいくつか提案します。もちろん最良な治療方法というのはあるのですが、それが必ずしも患者さんにとっての最良とは限りません。

休めないのであれば、休まなくて良い方法。眠気が出る薬が困るのであれば、そうでない薬。治療選択の判断に困るのであれば、検討期間を設けるなど、オーダーメイドでの治療提案をします。治療提案を理解していただき、納得したうえで、一緒に治療方法を決めることは、回復のためにとても大切なものと考えています。

うつ病の薬物療法と服用期間

うつ病が脳内の神経物質のバランスが崩れて発症する体の病気という観点から、抗うつ剤の服用をお薦めすることがあります。抗うつ剤は、症状が軽くなり、寛解期、回復期を経て症状が安定し、職場や家庭で活躍できる状態になるまでは、必ず継続して服用します。その後、再発やぶりかえすことを予防するために、半年から1年は服用してもらいたいのですが、服用の継続や減量については、患者さんと相談して決めていきます。

職場や家庭での協力体制を整えるために

うつ病を発症したきっかけが仕事や人間関係にある場合、職場復帰をすると、うつになった状況が再現されてしまう可能性があります。その場合には、産業医を通じて職場の環境調整をお願いすることがあります。例えば、休んでいる間に調整をお願いしますが、出来ない場合には退職や転職を考えることもあります。

家庭の主婦の場合には、可能であればご主人や家族に来院していただき、現在の家庭環境の問題を含めて、患者さんの状態を説明し、改善できることやサポートをお願いします。患者さんとだけ向き合うのではなく、周りの環境を変えるために必要なお手伝いをすることが、治療のひとつだと考えています。

本八幡という土地で心療内科に貢献したい

本八幡は、首都圏への通勤圏で、生産年齢層、特に女性が多いという特徴があります。そのため、うつ病などの潜在患者数は多いはずですが、心療内科のクリニックは不足していることがわかり、地域の患者さんに貢献したいと思いました。日常生活の上で普段の生活が送り辛い、疲れやすい、負担を感じるといったちょっとした違和感が、2週間程度続いている場合には、今どのような状態なのか、また今後どうなっていくのか、健康チェックのような形で、気軽に相談に来ていただきたいと思います。

私の持てる力をすべて使って、受診された方が後悔のないように、一緒に治療していきたいと思います。