本八幡こころクリニック

本八幡こころクリニック

近年急増している症例

Recently growing cases

Recently growing cases近年急増している症例

主婦のメンタルヘルス
夫婦の問題や子育て等の家庭問題、友人関係など、一人で抱え込みやすい環境です。一人で悩まないで、気持ちが楽になる時間を持ちましょう。
more→
ビジネスマンやOLのメンタルヘルス
パワハラやセクハラ等の職場ストレス、過労からの不眠や慢性的な疲労、うつなど、頑張過ぎないで、無理をする前に相談ください。
more→
学生のメンタルヘルス
成績や進路、友人等の人間関係、家庭内のトラブル心身共に成長する時期はバランスが崩れやすいです。回復も早いことが多いので、早めに相談を。
more→
高齢者の方のメンタルヘルス
退職や再就職、熟年離婚、身体合併症。うつや認知症、アルコール依存など。人生の経験年数に応じて多種多様な問題に直面する可能性があります。
more→

Housewife's mental health主婦のメンタルヘルス

うつ病、産後うつや育児ノイローゼ、アルコール依存、PMSなどが増えています

女性のうつ病

女性のうつ病

主婦のうつ病は、夫婦間のコミュニケーションの不和、親戚とのトラブル、家事や育児の負担など、さまざまなストレス要因が絡み合って起こります。また外部の人と接触する機会が少ない人は、孤独感に襲われやすく、それもひとつの要因となります。このような主婦特有の心の状態がストレスを生むのです。
うつ状態になると、キッチンに立つことをプレッシャーに感じる、家族の不在中に飲酒で気分をまぎらわす「キッチンドリンカー」になってしまうなど、うつ病を悪化させる要因を発生させていきます。

また、ホルモンのバランスが乱れると、うつ病になりやすいといわれています。女性のうつ病は、女性ホルモンであるエストロゲンの変動が激しいときに発症しやすいとされています。そしてその変動が激しくなるのが、月経、妊娠、出産、閉経時。エストロゲンの分泌量が減ると、精神を安定させる働きを持つ脳内物質のセロトニンが低下し、うつ病を引き起こしやすくなるのです。
事実、女性は男性よりも約2倍、うつ病になる可能性が高いのです。
無理して頑張り、一人で抱え込まないようにしましょう。溜め込まないことが、うつを遠ざけるのです。

出産・育児期のうつ病

出産後まもなく、情緒不安定などの精神症状が起こることが多くあります。産後2~3日以内に現れ、10日目くらいで軽快します。これが「マタニティブルー」と呼ばれる症状です。マタニティブルーは不眠、抑うつ、不安感、注意散漫などの精神症状が起こりますが、短期間で症状がなくなる一過性のものです。
しかし、この症状が1か月、2か月と続くようなら「産後うつ」を疑ったほうがいいかもしれません。気分が沈み、眠れなくなる。周囲に対する興味や喜びが感じられなくなる、など身体的・精神的な症状が現れます。マタニティブルーと異なり、産後うつは「病気」です。我慢せず、医師の診察を受けるようにしてください。産後うつは、育てられる子どもの精神的発達にも少なからずネガティブな影響を与えることがわかっています。本人のケアと同時に子どもへの配慮も必要となります。
うつ病は早期発見早期治療が、一番大切です。気になる点があるときは、お気軽にご相談ください。

ストレスからアルコール依存症に

主婦のAさん(50代)は真面目な性格で、趣味もなく、長年家事一筋でした。
二人の娘さんを育てることと、家事に生きがいを感じていた、ごくふつうの専業主婦です。 しかし長女に続き、次女も県外に嫁いでしまいました。家族4人で賑やかに過ごしていた家に、旦那さんの出勤後は一人でぽつんといることが長くなりました。両親とは別居なので普段は家事をこなしつつテレビを観るのが日課でした。

ストレスからアルコール依存症に

ある日、旦那さんのスーツの中にスナックの女性の名刺が入っているのを見つけてしまったAさん。言いようのない不安を感じましたが、旦那さんに問い質すことはできませんでした。しかし一人で考えていると不安とイライラが強くなり、大好きな料理をしても楽しくありません。
イライラした気分を「どうにか晴らしたい」と思い口にした缶チューハイ。それほど好きでもなかったのですが、気分がちょっとだけ楽になりました。
思いの他夕食の支度もはかどり、旦那さんのことも「上手く玄関で迎えられた」と感じました。気分よく過ごせるなら、と家事の合間に飲酒をするようになり、お酒が抜けると不安や問題を思い出してしまうため、やめられなくなりました。缶チューハイだったお酒もだんだんと強い梅酒やウイスキーになり、お酒のことばかり考えてお酒のない生活が想像できなくなってしまいました。

その後、Aさんは飲酒量が増えたことを旦那さんに指摘され、心療内科を受診しました。
受診後は生活スタイルの見直しと、うつ病の治療を開始し、しばらくのちに気分や情緒は安定され、断酒を守り、旦那さんとは登山に行く趣味を見つけ楽しく過ごされるようになりました。

ほっとできる時間を持ち、気分転換をしましょう。
主婦の方の中には、産後うつや育児ノイローゼになる方もおられます。「主婦の生活は楽だ」と思われがちですが、そんなことはなく、逆に時間の区切りがないため大きな負担となることがあります。またきちんと評価されないこともつらいことです。「主婦業は大変な仕事」と考え、ストレスをためないために、なるべく孤独にならないよう、誰かとおしゃべりができる機会を作ったり。趣味を持ったりして気分転換をしてください。また運動を楽しむのも効果的です。ジムに通うなど、ストレス発散に時間を使えるとよいでしょう。

Mental health of businessman · OLビジネスマン・OLのメンタルヘルス

適応障害、うつ病、パニック障害、疼痛性障害などが増えています。

残業が続くことで慢性的な休養不足、気分転換にスマホにはまり、睡眠不足に陥るケースや、職場の上司や同僚との対人関係、パワハラなど、職場ストレスからうつ病に至る人は年々増えています。また自覚するまでに時間がかかる(通常の疲労感と区別がつかないまま耐えてしまう等)うつを悪化させるケースが目立っています。頑張りすぎることは美徳ではありません。無理をしないようにしましょう。

うつ病

うつ病

会社勤めをしているBさん(30代)は、結婚5年目。家庭では夫婦仲も良く、仕事も順調にこなしてきました。
ある時期、いつものように繁雑期となり、残業が増えていました。Bさん自身は苦痛に感じてはいませんでした。しかしながら、残業が減った後も、夜寝つきが悪かったり、体がだるくなることが増えてきました。その後、食欲の低下、胃痛も出てくるようになったため、内科を受診し検査を行った結果、胃炎の診断を受け胃薬が処方されました。胃の痛みは改善したものの、食欲は戻りませんでした。不眠や体のだるさが続き、内科の受診を繰り返しましたが、いずれも異常はありませんでした。異常が見つからないまま症状が続くことから心療内科の受診を勧められ受診しました。
Bさんの経過から過労から来る慢性的な疲労や不眠が考えられ、診察中に語られた、それまでの趣味に興味が持てなくなった、気分が塞ぎ込む、等の内容から、うつ病と診断をしました。
診断後、休職し自宅にて療養を開始したBさん、同時に薬物療法を開始、抗うつ薬での治療を開始しましたが、慢性的な疲労感や食欲不振が続き漢方薬の併用を行いました。漢方薬は抗うつ薬と併用することで、うつから来る不調に対し有効であるため、病態または患者様の希望に応じて導入することが少なくありません。特に休養を始めただけで気分が回復してきているのに、薬を飲むのに抵抗がある、という方では、漢方薬を選択されることが多いです。
最終的に3か月の休養と通院加療で回復したBさんは、職場復帰にあたり、復帰後は、自宅で休養の時間を持つことを約束しました。休養を経てオーバーワークに気づいたBさんは元々の趣味であったサイクリングを再開することとし、以前のように疲れなどに悩まされることなく働けるようになりました。

パニック障害

パニック障害

C(20代)は大学卒業後、商社に就職、総合事務職に配属されたOL1年目。残業の多さから疲れを感じていたものの、充実した毎日を過ごしていました。
ある日の朝、通勤途中の電車内で急に胸がドキドキして、息苦しさから恐怖を感じました。電車を降り少し休むと改善したため、そのまま出社しました。それから、しばらくは異常もなく過ごしていました。
しかし、その2週間後くらいに、前回同様、朝の通勤中電車内で、前触れもなく動悸や息苦しさと共に手先が震え、強い不安感に襲われました。「これはおかしい」「何かの病気ではないか」と心配になったCさんは母親と一緒に内科を受診しました。ですが、血液検査やレントゲン写真、心電図といった検査では全て異常なし、様子をみるように担当した医師から言われました。一緒に行った母親も一安心していました。
病院を受診し、検査にも問題がなかったことで不安が消えたCさんでしたが、その後も同じような症状が続き、朝の通勤時以外にも自宅前や路地で、帰宅時や休日にも起きるようになりました。どんどん悪くなる状況にますます不安が募ったCさんは両親を連れ、内科を再び受診しました。そこで状態が悪くなっていること、再度の詳しい検査を希望しました。再度検査を受けたのですが結果は同じ、異常はありませんでした。すると内科の医師から「ストレスなど、精神的なものでは」と言われ、心療内科の受診を勧められました。
自分のストレスに気づいていなかったCさんは、自分の具合の悪さが精神的なものとは考えられず、受診には抵抗がありましたが、心配した両親の勧めもあり、紹介先であるクリニックを受診しました。
パニック障害と診断され、治療法の相談をしたところ、薬の副作用への不安もあり治療をためらっていました。そこで、これまでの様な発作が起きても死んだりしないことや、必ず軽減することなどをゆっくり説明し、不安や緊張の高まりやすい場所や状況を回避することから始めたところ、少し発作の起こる頻度が減りました。もっと良くなるなら、と薬物療法にも同意され、事前に薬の効果や使い方など説明を受けた後、服薬となりました。その後は徐々に発作の頻度が減り、症状が軽減してきていることもあり、普段は服用せず、お守り代わりに薬を持ち歩く程度になり、通院が終了しました。

Student mental health学生のメンタルヘルス

学生のメンタルヘルス

主として思春期であるこの期間においては気分障害(うつ病、躁うつ病)が注目されています。また、この時期は社交不安障害を初めとする不安障害の発症時期に重なり、男子には反社会的な行動(行為障害)が増えます。飲酒や喫煙、違法な(脱法)ドラッグ、自殺関連行動(自傷行為等)、不登校、ひきこもり等を始めとした問題はメディアなどに取り上げられることも多くありますが、これらのうち、危険行動は成人期が近づくにつれて減少していきます。また、これらの多くは症候群であり、診断ではありません。よって、そこに潜む精神障害を診断し、治療に結びつけることが重要となります。それには不安障害、気分障害、発達障害、青年期ではまだパーソナリティが成長するため診断できないがパーソナリティの未熟さなどが含まれます。診断そのものより相談することが現状を改善する一助となることがあります。お困りのことがあれば、ご相談ください。
*原則として未成年の場合、親の同伴もしくは許可が必要となります。診療の内容など、個人のプライバシーは守秘されます。

学生(思春期)に多い心の病気

思春期(青年期)は、身体的成長が急速に進む時期ですが、精神面でも大人への移行期です。この時期には自己の確立が進みます(自我同一性の確立)。その過程で多くの悩みや葛藤が生まれ、時には精神的な危機状況に陥り、思春期特有の心の病気が見られることがあります。

  • 思春期妄想症
    自意識が高まる思春期に見られます。「自分の身体的欠陥によって周りの人に不快感を与えている」と確信してしまう病気です。例えば、自己臭恐怖(自分の嫌な臭いのため相手に迷惑を掛けている)、醜形恐怖(他人に醜いと思われている)などがあります。
  • 統合失調症
  • 思春期うつ病
    思春期のうつ病は決してまれな病気ではなく、思春期の2~8%に見られるといわれています。成人のうつ病と基本的に同じような症状がみられますが、身体の不調や自分の存在価値を否定する気持ち、いらいらなどの不快な感情、アルコールやドラッグの乱用、自殺企図などが比較的多くみられます。
    また、強迫性障害、パニック障害、社交不安障害などが合併していることが多く、うつ症状が見逃されがちです。薬物療法と精神療法などにより軽快した後も、成人期に病気が再燃することや、また他の精神疾患に移行する前段階である場合もあるので慎重な対応が必要です。
  • 強迫性障害
    思春期にみられることが多い病気です。なかには統合失調症などの精神疾患に移行する前段階である場合があります。
  • 適応障害

Mental health of the elderly高齢者のメンタルヘルス

高齢者のメンタルヘルス

高齢者に多いのがうつ病です。年齢による体力の衰えや、記憶力の低下は自信を失わせ、意欲を削ぎます。自分の役割を失い、近しい人の死を経験することも増えてきます。そういった経験の一つがうつ病のきっかけを作ります。同じうつ病でも、高齢者の場合は身体的な症状として現れることが多いです。
もう1つは認知症です。特に高齢者のうつ病と認知症は似ているところがあり、鑑別が困難な場合があります。認知症の場合はうつ病様症状に加えて、記憶の障害や場所、名前などが分からなくなる見当識障害、妄想、幻覚といった症状が現れ、特に環境の変化で起こりやすくなります。
また近年では高齢になることで身体的、精神的、社会的な脆弱をもたらし最終的には介護が必要となる状態を“フレイル”と呼び、この介護が必要となる一歩前の状態での積極的な介入を呼び掛けています。
お心当たりのある方はご相談ください。

うつ病

会社を定年退職したDさん(60代・男性)

Dさんは、定年退職後、奥さんと趣味のハイキングを一緒に楽しもうと考えていました。しかしいざ退職してみると、奥さんは毎日のように、習い事や友人たちと出かけてしまい、Dさんだけが家に残って一人で過ごす毎日でした。
退職前は職場で頼られ、定年まで多忙であったDさんは、休みを家族と過ごす事も少なく仕事人間と言われていました。そういったこともあり、始めのうちはいい機会、とゆっくり過ごしていました。しばらくして、退職後何か月も家に引きこもるDさんを気遣い、奥さんが度々外出に誘いましたが、毎回、「気が向かない」と硬い表情で断るDさんでした。心配した娘が訪れ、Dさんに話しかけるも、「もういい」「だめだ」などぼそぼそと繰り返す様子に認知症になったのではないか、と考え、近くの脳神経外科を受診。
頭部のCTやMRIでは年齢相当と評価され異常なし、長谷川式簡易知能評価スケールという認知症の検査では、認知症が疑われるレベル、と評価をされましたがひきこもっている状況や活動性の低下、など退職前後での変化が大きいため、精神科の受診をすすめられました。奥さんと娘さんに連れられ受診したDさんはそこで初めて、うつ病、と診断されました。抗うつ薬での治療開始に際し副作用の説明などに不安を感じた娘さんが一時実家に戻り、同居しながら通院し、約1か月後には表情が戻り、家族と外出もされるようになりました。また一人でいることにも孤独を感じず、近所で話す友人もできて活動的な毎日を過ごせるようになりました。

アルツハイマー型認知症

長男家族と同居のEさん(70代・女性)

Eさんは結婚以来専業主婦で3人の子供を育て上げた後、夫と二人暮らし、5年前から長男家族と同居中です。2年前頃より物忘れが目立つようになり、同じ話を繰り返す、鍋を火にかけっぱなしにする、などの問題行動が続き、認知症を疑った家族と神経内科を受診、アルツハイマー型認知症と診断を受けました。
それから2年、徐々に認知症が進行、お風呂と洗濯機の区別ができないようで、家族がお風呂にお湯を張ると汚した衣類を持ってきてお風呂の中に投げ入れる。Eさん一人で外出し、帰ってこられなくなり警察に保護され、家族のものがしっかり観察していてくださいと注意されてしまいます。迷子にならないよう一人で出歩かないよう言い聞かせても、勝手に出て行ってしまい、家に閉じ込めようとすると怒って暴力を振るうようになりました。また「財布がない長男が盗った」「お金がないからご飯を食べない」など事実ではない事を言って騒ぐことが増え、同居の家族は疲弊してしまい、通院先の病院に相談し、現状では病院へ入院させての治療が望ましい、と判断されました。ですがEさんは自宅に帰りたい、と泣き続け、家族は外来での治療を望み、心療内科への受診、となりました。
一般的に認知症の中核症状と言われる物忘れなどは、進行を遅らせることができたとしても、明らかな改善は望めないものですが、認知症に伴って起こる精神症状(妄想、うつ、興奮など)は周辺症状といわれ、治療可能なものも多く、改善が見込めます。さらに周辺症状が改善、消失することで本来の活気や判断力を取り戻すことも多いです。Eさんは抗認知症薬に加え、漢方薬を併用し徐々に落ち着きを取り戻していき、希望通り家族と同居を続けることとなりました。

フレイル

フレイル

フレイルとは、身体や精神、または社会的なネットワークの脆弱化により介護が必要となる前段階を意味します。わかりやすくいうと、元気な状態と要介護(介護が必要な状態)の中間的な状態を総称してフレイルと呼んでおり、適切な対応をとらないと介護が必要になる危険な状態を指します。
科学的には、加齢による心身の予備能(余力)の低下により外的なストレスに抵抗する力が低下している状態と言えます。例えば、インフルエンザやノロウイルスに感染しても通常は短期間で回復し、元の状態に戻ります。しかし高齢者の場合、元の状態に戻るまでに長い期間を要したり、最悪の場合は命にかかわる問題となります。

フレイルは身体的な問題だけにとどまらず、精神心理や社会的な問題を含む非常に幅広い概念です。フレイルは、主に以下の3つの要素から成り立つと言われています。

  • 身体的な問題
    筋肉の減少により活動量が低下するなどの状態を指す
  • 精神心理的な問題
    記憶力の低下、気分的なうつ状態などを指す
  • 社会的な問題
    周囲からのサポートがない孤立した状態、必要な介護を受けることができないほどの経済力不足などを指す

これら3つは相互に関係し合っており、どこに問題が生じても悪化すると要介護の状態になる危険性があります。
例えば、高齢になり人間関係が希薄化し、会話量が減り行動範囲が狭まることで、喉を含む筋肉の減少を引き起こします。そのまま放置すると、食事を飲み込むことができなくなり、最終的には誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん・細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎)で亡くなる可能性があります。このように、一つの問題から連鎖的に問題が発生し、重症化する点が特徴です。